ある日、突然。

悪性高血圧と、それに伴う心不全・腎不全・網膜症・脳梗塞など。現在も続く治療のあれこれとその周辺を記録するブログです。

原因検索の日々。

NT-proBNP。
ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント。


ふつうの人はあまり聞かない言葉だと思うが、
心臓からでるホルモンで、心臓に負担がかかると大量に分泌されるため、
心不全のバイオマーカーとして使われている。


ちなみに、調べ方は簡単だ。
血液検査である。


このNT-proBNPが、私の入院時は2万6000を超えていたらしい。


桁をひとつ間違えてないかとよく言われるが、確かにこの数字である。


ちなみにNT-proBNPの基準値は
およそ125未満で正常値、900以上で治療対象の可能性が高く、
その値の大きさは心臓のあげる悲鳴の大きさの程度を表すという。



だとすると、私の心臓は相当大きな悲鳴をあげていたことになる。


実際、病院で見せられた入院時の私の心臓の3D動画、
あれは心臓MRI検査で作成されたのだろうか、
まともな拍動が打てず、前後左右にグニグニとのたうつ様を見せられた時
まさに心臓から断末魔の悲鳴、声なき声が聞こえた気がした。


衝撃の映像。
ヤバイでしょ。
心臓のポンプ機能の破綻、とはこういうことか。


視覚の威力というのはすさまじい。
ふつうの心臓の拍動を見たことがあるわけではないが
自分の見たそれが普通でないということだけは十二分に伝わった。
そういう動きだった。
何か自分の心臓を見ているとも思えない、遠い気持ちになったものだ。


人間、自分の理解を超えたものを見せられると、
妙に冷静になってしまうものである。


また、私が気管支喘息だと思っていたものは心臓喘息であり、
胸水がたまっていること、嘔吐・食欲不振、全身の浮腫、
夜中に何度も目が覚めていたのは起坐呼吸であることなど、
おおよそ心不全からきているものだと説明された。



心臓がこのような調子であったので、
とにもかくにもまずは血圧を下げ、心臓の状態を落ち着かせるとともに、
同時進行で、その元となった悪性高血圧の原因を検索する日々が始まった。


血圧値が極端に高いとはいえ、
ただの高血圧性にしては心臓や腎臓など
いろいろな内臓の障害があまりにひどい。


そういうことで、2次性高血圧の疑いがかかったのだ。



要は、原因となった病気がまだほかに潜んでいる可能性がある、と。


心室壁の心筋の厚さが異常に分厚くなっていること
(女性平均10mm前後のところ、私は18mmくらいあった)、
コルチゾールなどホルモンの値にも異常値があること、
腎臓のクレアチニン値が下がり続けていること、等々。


諸々の症状を斟酌して、次のような病気が可能性として告げられた。


肥大型心筋症
ファブリー病
アミロイドーシス
脳腫瘍(クッシング病)
副腎腫瘍(褐色細胞腫、レニン産生腫瘍)
腎動脈狭窄
睡眠時無呼吸症候群


[公益財団法人循環器病研究振興財団 | 知っておきたい循環器病あれこれ]
http://www.jcvrf.jp/general/pdf_arekore/arekore_008.pdf


副腎や腎等のホルモン異常や腫瘍、遺伝病などである。


直接的・間接的な要因として、
まずは様々な可能性を考慮しつつ検査を進めることになったが、
このうち、最も有力視されたのがファブリー病。



全身性の代謝異常。遺伝病である。


このため、家族歴までさかのぼって検査と治療を進めていくことになった。

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