2015年年末。
思い返してみて、一番最初に感じた明らかな変調は2015年12月年末。
新年まであと少しの頃だった。
その日は休日で会社は休みだったが、休日出勤の予定があり、
いつも通り、朝、目が覚めると起きようとしたが、文字通り起き上がれなかった。
壁に手をつき体を身体を支えながら、かろうじてベッドから立ち上がったものの、
胸から上が石のように重く、上半身がまっすぐ起こせない。
なんとか着替えだけでもと思うのだが、壁で体を支えた半端な体勢のまま、
体を起こすことも動くこともままならない。
痛みや苦しさはなかったと思う。ただ、動けなかった。
あと無理に動こうとすると恐ろしく気分が悪くなった。
実はこの時私がまず考えたのは、持病のメニエール病のことだった。
メニエールには10代のころに初めて罹患し、
突然、歩くことのできないほどひどい回転性めまいと激しい嘔吐に
襲われたことが数回ある。
治った後も、過労やストレスが続くとめまいや吐き気となって出やすく、
この日も連続勤務で少し疲れているかもという自覚はあったため、
いつもの発作が少しひどい感じなのかもしれない、と考えた。
メニエールの場合、少しすれば症状は落ち着いてくるので、
とにかく症状が落ち着くまでおとなしくじっとしているしかない。
ベッド脇にもたれた楽な姿勢で座っていると
やがて少し動けるようになってきたので、
予定より1時間くらい遅れて、その日は勤務に出かけた。